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KHJ全国ひきこもり家族会連合会

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【全国支部に向けて】新型コロナで混乱と迷走の一年を振り返って (共同代表あいさつ)


支部の皆さまへ

 慌ただしかった令和2年もあとわずかになりました。
 振り返ってみれば、新型コロナに始まり新型コロナで終わる一年だったと思います。 
1月までは何となく対岸の火のような感じで見ていた問題が、あっという間に全世界を覆ってしまうとは、誰も想像できなかったことです。
 いくら科学が進歩しても自然の前では無力な存在だったということが改めて示されたと思います。私たち人間は、もっと自然と共存し、行き過ぎた人間中心の生活を見直す時期だと考えたいものです。
 新型コロナは、私たちの心と考え方に対しても大きく影響しました。それは、人は一人で生きていくことが出来ない存在だということです。日常、何気なくかわしている会話や行為がいかに大事な所作になっているかに気づかされました。
 人を思い、人に傷つけられ、人にふれあい、人に励まされ、人に癒され、人に支えられること等、この世の中はすべて「人と人」との関係で成り立っているのです。
 人は一人では生きていくことは出来ないと、つねづね言われてきましたが、まさにそれが現実として意識化されたのではないでしょうか?
 私たちひきこもり家族会も、同じ思いをした人々が集うことで、心の傷口からの出血が止まり、それがかさぶたになり、かさぶたがいつの間にか気にならなくなる、その過程がものすごく大切な時間で、その一連の出来事が新たな人生に巡り合っていくことになれば、それまでにあった苦労が報われたと感じ「いい人生だった」と思えるようになる。そのような時間を私たちは他人事ではなく、自分事として豊かな人生を実感することが出来るのではないでしょうか。
 今年一年は新型コロナで混乱と迷走の一年だったと振り返ります。私たちは、この新型コロナであぶりだされた現代社会のひずみに対して、全国の家族会の方々の総意を社会に発信し、もっと人間らしく生きていけるという「新人間宣言」を社会に訴え続けていきたいと思います。ひきこもり家族会の活動はそのモデルといえるでしょう。
 来年は、支部に参加している皆様に少しでも良い情報をお届けできるような活動をさらに強めて行きたいと思っております。
 皆様からの忌憚のないご意見を賜りたくお願いし、今年最後のご挨拶にさせていただきます。

令和2年12月28日
特定非営利活動法人 KHJ全国ひきこもり家族会連合会
共同代表 伊藤 正俊 中垣内 正和